子育てしている中で、赤ちゃんのミルクはいつまで必要なのか疑問に感じる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、赤ちゃんのミルクはいつまで必要か、ミルクをやめるまでの準備などについて紹介したいと思います。
赤ちゃんのミルクはいつまで必要?
赤ちゃんにミルクや母乳をいつまで与えてよいという目安に、特に決まりはありません。
離乳食は通常生後6ヶ月頃から始めますが、タイミングは赤ちゃんの発達度合によって異なります。離乳食が始まると粉ミルクの飲む量が次第に減り、固形食への移行に向けた準備が始まります。この時期から赤ちゃんの消化能力が上がるにつれ粉ミルクの量も減り、最終的には粉ミルクからの卒業を目指します。
通常、生後12ヶ月から18ヶ月の間に粉ミルクを卒業することが推奨されていますが、赤ちゃんの成長度合や離乳食への移行具合によって異なります。粉ミルクを少しずつ減らすことで赤ちゃんは自然と固形食を食べるようになり、様々な種類の栄養をとることができます。
赤ちゃんには個人差があるので、「ミルクはいつまでか」ということにこだわりすぎず、赤ちゃんの成長にあわせて卒業することが何よりも大切です。
赤ちゃんがミルクをやめる目安とは?
厚生労働省によると、ミルクと母乳で卒乳のタイミングに違いはなく、1歳〜1歳6ヶ月頃には、1日3回の離乳食と1〜2回のおやつから、エネルギーと栄養素の大部分を摂ることが目安とされています。
ただしこれは先にもご説明した離乳の目安であり、この時期に完全にミルクをやめなければいけないというわけではありません。
赤ちゃんがミルクを卒業するための準備とは?
ミルク量や回数を減らしていく
ミルクの量と回数を減らすには、ゆるやかなステップダウンが基本です。
赤ちゃんが離乳食に慣れてきたら、ミルクの量を徐々に減らしていきましょう。まずは、毎日のミルクの回数を少しずつ減らすことから始めます。赤ちゃんはごはんでお腹がいっぱいになり、ミルクをそれほど欲しがらなくなります。
固形食の量を増やしていく
ミルクの量を減らす一方で、ごはんの量を少しずつ増やしましょう。赤ちゃんが新しい食感や味に慣れるように、様々な種類の離乳食を試し、食事の楽しさを教えてあげましょう。赤ちゃんがごはんだけで満足するようになると、自然とミルクを欲しがらなくなります。
マグカップやコップでの飲み方を練習する
ミルクを減らしていくにあたって、飲み物を飲むときに使うものを哺乳瓶からマグカップやコップに移していくことも大切です。初めは扱いやすいマグカップを選び、麦茶や白湯などを少量入れ、赤ちゃんが自分で持つ練習をサポートしましょう。こぼしても怒らず、楽しみながら経験を積むことで、「飲む」動作に自立心が芽生えます。慣れてきたら、少しずつ飲み物の種類を増やし、1歳を過ぎた頃を目安に冷たい水や牛乳へと広げていくとよいでしょう。コップ飲みができれば、哺乳瓶へ頼らない習慣が身につき、ミルクからのステップアップがより自然な流れになります。
寝る前のミルクから卒業する
ミルクを飲むことが入眠の儀式になっている赤ちゃんは、ミルクの卒業が一筋縄ではいかないかもしれません。
そんなときは、寝つくまで抱っこしたり、昼間にしっかり遊ばせてスムーズに寝入るようにしたり、読み聞かせをしたりと、赤ちゃんが眠ってくれる方法を探してみましょう。
赤ちゃんが泣き止まないから寝る前にミルクを与え続けてしまうと、ミルクがないと寝ないようになってしまう可能性もあります。
赤ちゃんの様子を見ながら調整する
赤ちゃんの反応をよく観察し、必要に応じて食事内容を調整してください。赤ちゃんが離乳食をよく食べていればそのまま進めますが、食べが悪かったり体調が悪いときはミルクの量を増やすなど、その時々で臨機応変に対応することが重要です。
ミルクから離れたあとのフォローアップミルクの活用法
フォローアップミルクの使用については、その特徴や位置付けをよく理解することが必要です。離乳食での栄養補完としてフォローアップミルクを上手に取り入れることができれば、食事の質を高めることができるかもしれません。
フォローアップミルクの役割や切り替え時期
フォローアップミルクは元々牛乳の代用品で作られたものです。牛乳で不足しやすい鉄と、その他補助的にカルシウム、ビタミンを摂取できるように調整されており、厳密には乳児用ミルクとは別の商品です。乳児用ミルクは、赤ちゃんのため成長のために栄養バランスが整えられた完全食として作られているのに対して、フォローアップミルクは補助食品的な位置付けになります。「フォローアップミルク=普通のミルクの上位互換」ではないので注意しましょう。
一般的にフォローアップミルクの使用を検討するとされるのは生後9ヶ月頃から1歳頃とされていますが、離乳食がしっかり進み、多様な食材を食べられる場合には、フォローアップミルクは必要ありません。逆に離乳食がうまく進んでいない時は、フォローアップミルクが限定的に役に立つ場合があるかもしれませんが、基本的に栄養バランスの観点から、離乳食の不足分は母乳や乳児用ミルクを与えることが望ましいです。
フォローアップミルクの有用性として鉄の補給が謳われますが、離乳食を進めている時期のお子さんの鉄補給の観点でも、離乳食と母乳または乳児用ミルクの組み合わせで問題ないです。もし離乳食がうまく進まない場合には、フォローアップミルクを独自に始めるのではなく、小児科医や保健師などに相談してみることをオススメします。
ミルクをやめる際に出てくるQ&A
Q.夜間のミルクはいつまで必要か?
A.一般的には生後3ヶ月頃までは夜間の授乳が必要ですが、その後は夕ご飯の時間に哺乳をしたら夜間の授乳が空くことが増えてきます。お子さんのペースに合わせて徐々に夜間のミルクを減らし、離乳食が進んだら夜間の水分補給は麦茶や湯冷ましに切り替えるのがよいでしょう。
Q.ミルクを飲み続けているとどうなる?
A.長くミルクを飲み続けると、お子さんが固形食に興味を持たない可能性があります。また、栄養が偏ってしまうこともあります。
赤ちゃんが健康に成長するためには、いろいろな食べ物から栄養を取ることが大切ですが、すぐにミルクをやめる必要はありません。赤ちゃんが固形食に慣れるまで、少しずつミルクの量を減らすと良いでしょう。
Q.ミルクをなかなかやめられない場合、どうするべき?
A.ミルクをやめるのが難しい場合は、まずは固形食を美味しくて楽しいものにして、興味を持たせることが大事です。食事の時間を一緒に楽しむことで、徐々にミルク以外の食べ物にも興味を持ってくれるようになります。
Q.ミルク卒業後、体重が減ってしまった時の対処法は?
A.ミルクをやめた後に体重が少し減ることは、一時的なことが多いですが、体重が気になる場合は、医師に相談すると安心です。
また、離乳食の量や栄養バランスを見直すことも大切です。バランスの良い食事を心がけ、必要な栄養素がしっかり摂れているかを確認しましょう。食事の量が足りない場合は、数回に分けてあげると食べやすくなります。
まとめ
離乳食が始まると、「いつまでミルクをあげればいいのか?」という疑問が出てくる方も多いと思います。やめる時期というのは悩むポイントですが、正解はないため、お子様の様子を見ながら徐々に減らしていくことが一番スムーズに切り替えることができる方法かと思います。
まずは、ミルクの量や回数を減らして、ミルクではなく離乳食の習慣をつけたり、食事の楽しさを教えてあげるようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。