「モンテッソーリ教育」という言葉、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか？
将棋の藤井聡太棋士やAmazonの創設者、Googleの共同創業者など、世界で活躍する著名人が受けていたことでも注目を集めています。
わが子にも「あの有名な教育法」を取り入れたい！でも、実際どんな教育なの？家庭でできるの？と疑問に思っているパパ、ママも多いはずです。
そこで今回は、モンテッソーリ教育について、その目的や特徴、具体的な教育内容から、家庭で実践するヒントまで、紹介したいと思います。
モンテッソーリ教育とは？「自立した人間」を目指す教育法
まず、モンテッソーリ教育がどんな教育法なのか、その目的と基本的な考え方から見ていきましょう。
目的は「自立していて、生涯学び続ける人間を育てる」こと
モンテッソーリ教育は、1900年代初頭にイタリアの医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリによって考案されました。
その究極の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。
子どもの頃から「自分でできる」体験を積み重ね、生きる力を身につけていくことを重視しています。
モンテッソーリ教育の根幹：「自己教育力」と「敏感期」
この教育法の基本にあるのが、以下の2つの考え方です。
- 自己教育力： 子どもには生来、「自分で成長し、発達していこうとする力」が備わっている、という考え方です。
- 敏感期： この自己教育力が発揮される特定の時期を「敏感期」と呼びます。例えば、運動、感覚、言語、数、秩序など、特定のことに対して強い感受性を示し、驚異的な集中力で習得する時期です。
モンテッソーリ教育では、この「敏感期」を逃さず、子どもが持っている力を最大限に発揮できるように、「発達に見合った環境」を大人が用意することが大切だと考えられています。
モンテッソーリ教育は、大人が教え込むのではなく、子どもの内なる力を信じ、その力を引き出す環境を整えることに重きを置いた教育法なんです。
3〜6歳が対象！モンテッソーリ教育の5つの分野と驚きの教材
モンテッソーリ教育では、子どもの発達段階に合わせて0〜3歳の前期と3〜6歳の後期に分けられます。特に3〜6歳向けには、子どもの成長に必要な5つの分野が用意されています。
それぞれの分野と使われる具体的な教材を見ていくと、納得できるはずです。
| 教育分野 | 目的（敏感期） | 具体的な内容・教材例 |
| 1. 日常生活の練習 | 運動の敏感期 | 服の着脱、ボタンかけ、水差し、テーブル拭きなど、秩序だった動き方や身のこなし方を教える。道具は子どもが使いやすいサイズのものを用意。 |
| 2. 感覚教育 | 感覚の敏感期 | 視覚・聴覚・触覚・臭覚・味覚の五感を洗練させる練習。音感ベル（聴覚）、色版（色彩感覚）など、感覚器官を刺激する教具を使う。 |
| 3. 言語教育 | 言語の敏感期 | 語彙力を豊かにし、最終的には文法までしっかり学ぶ。絵と言葉が描かれたカードや50音の文字カードを使い、自然と読み書きの力を養う。 |
| 4. 算数教育 | 数の敏感期 | 数や量に興味を示す時期に、算数棒やビーズなど、手で扱える教材で数を体感させる。十進法から四則計算まで順序立てて習得。 |
| 5. 文化教育 | 知的好奇心 | 動植物、地理、歴史、音楽、美術など、幅広い分野に触れる。惑星の模型や世界地図、時計など、知的好奇心を刺激する教材を使う。 |
なぜ、日常生活の練習が重要なのか？
「日常生活の練習」は、ただの遊びではなく、子どもが「自分のことを自分でできた！」という達成感を得て、自信と自立心を育む土台作りとして最も重要視されています。これが後に、他の学習への意欲にも繋がるのです。
モンテッソーリ教育を受けた子どもの「その後」は？
モンテッソーリ教育を受けた子どもたちに、実際にどのような影響があるのか気になりますよね。もちろん個人差はありますが、一般的には以下のような特徴が見られると考えられています。
- 順序立てて論理的に物事を考えられる
- 集中力が高く、自分で決めたことは最後までやり遂げる
- 人の長所を見つけるのがうまい（他人への思いやり）
- 常に学び続ける探究心を持っている
冒頭でも触れた通り、現代社会で大成功を収めている著名人にもモンテッソーリ教育の卒業生が多数います。これは、モンテッソーリ教育が、変化の激しい現代を生き抜く「自立心」と「探究心」を養うのに優れている証拠と言えるでしょう。
＜モンテッソーリ教育を受けた著名人＞
- 藤井 聡太 棋士
- ジェフ・ベゾス（Amazon創設者）
- セルゲイ・ブリン（Google共同創業者）
- ラリー・ペイジ（Google共同創業者）
- アンネ・フランク（『アンネの日記』著者）
わが家にも取り入れたい！モンテッソーリ教育の始め方
「うちの子の個性に合うか分からないけど、興味がある！」というパパ、ママも多いはずです。モンテッソーリ教育を実践する方法は大きく分けて2つあります。
1. 専門の施設に通う
モンテッソーリ教育を本格的に受けるには、実践している幼稚園や保育園、教室に通うのが確実です。専門の教師と整えられた環境で、集中的に教育を受けられます。
2. 家庭で「お仕事」を取り入れる
「近所に施設がない」「まずは自宅で試してみたい」という場合は、家庭でモンテッソーリ教育の考え方や教材を取り入れることができます。
特に大切なのは、以下の2つの環境を整えることです。
- 物的環境： 子どもが自分で作業できる環境（低い棚、届く高さに道具を置く、本物志向の道具を使うなど）。
- 人的環境： 子どもの「今やりたい！」という気持ちを尊重し、見守る姿勢を大切にする大人の関わり方。
家庭でできる最も簡単な実践は、子どもに「お仕事」（日常生活の練習）を与えることです。
＜家庭でできる「お仕事」の例＞
- 集中力を養う： スプーンで豆を移す、スポンジで水を絞る
- 自立心を育む： 自分の服を畳む、靴を揃える、植物に水をやる
まとめ
モンテッソーリ教育は、「子どもの自主性」を尊重し、才能を開花させる素晴らしい教育法です。しかし、すべての子どもに完璧に合うとは限りません。
大切なのは、教育法に子どもを合わせるのではなく、わが子の個性をよく観察し、「今、わが子が必要としている環境は何か？」という視点を持つことです。
モンテッソーリ教育で学んだ「子どもの内なる力を信じ、環境を整える」という考え方だけでも、今日からの子育てに大きなヒントを与えてくれるはずです。
まずは家庭でできる「お仕事」から、モンテッソーリの考え方を取り入れてみるものよいかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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