突然ですが、お子さんが39℃以上の高熱を出して、ぐったりしている姿を見たら、どうしますか?
「ただの風邪かな?」と安易に考えてしまいがちですが、実はその高熱、「扁桃炎(へんとうえん)」が原因かもしれません。
今回は扁桃炎について、その症状や原因、そしてどうやって治療していくべきか、専門的な視点を交えてわかりやすく解説していきます。
そもそも扁桃炎ってどんな病気?風邪との見分け方は?
「扁桃腺が腫れた」ってよく聞くけど、それって「扁桃炎」のこと?
はい、その通りです。正確には「扁桃(へんとう)」と呼びますが、一般的には「扁桃腺」という呼び方が浸透していますね。
扁桃炎は、のどの奥にあるリンパ組織「扁桃」に炎症が起きた状態を指します。
風邪と症状が似ているため見分けがつきにくいですが、扁桃炎では風邪よりも喉の痛みが強く、つばを飲み込むのもつらいほどになるのが特徴です。
また、扁桃に白い膿がつくこともあります。
風邪は咳や鼻水、倦怠感といった症状がメインですが、扁桃炎の場合は、39℃以上の高熱や強い喉の痛みが主な症状です。
もしお子さんがこのような症状を見せたら、まずは扁桃炎を疑いましょう。
なぜ扁桃炎になるの?原因はウイルスと細菌の2種類
扁桃炎の原因は、大きく分けて「ウイルス」と「細菌」の2つがあります。
扁桃炎のほとんどは、風邪のウイルスによるもので、特に夏風邪の原因となるアデノウイルスなどが、扁桃炎を引き起こすことが多いです。この場合は、安静にして水分をしっかり摂ることが大切です。
細菌による扁桃炎は、抗生物質での治療が必要になる場合があります。特に注意したいのが、溶連菌(ようれんきん)や肺炎球菌、インフルエンザ菌などの細菌です。
溶連菌は、喉の痛みに加えて、全身に赤い発疹が出たり、舌がいちごのようにブツブツになったりする特徴があります。
また、肺炎球菌やインフルエンザ菌は、髄膜炎などの重い病気を引き起こす可能性もあるため、予防接種での対策が推奨されています。
治療法は?病院に行くべき?市販薬は使える?
扁桃炎の治療は、その原因によって異なります。
- ウイルス性の場合:基本的に安静にして、自然に治るのを待ちます。風邪と同じように、水分補給と十分な睡眠を心がけましょう。
- 細菌性の場合:医師から処方された抗菌薬(抗生物質)を服用して、菌を退治します。症状がひどい場合は、点滴や入院が必要になることもあります。
「つらいから、市販薬でなんとかしたい!」と思うかもしれませんが、扁桃炎の原因が細菌だった場合、市販薬では根本的な治療ができません。
自己判断で市販薬を使用するのではなく、必ず医師の診察を受けて、適切な治療を受けるようにしましょう。また、扁桃炎を繰り返す場合は、手術で扁桃を切除するという選択肢もあります。
ただし、扁桃は免疫機能に関わる重要な器官なので、手術には慎重な検討が必要です。
年に4〜5回以上高熱を出すなど、日常生活に支障が出ている場合に、手術が検討されることが多いです。
扁桃炎の時、食事はどうすればいい?
喉が痛くてご飯が食べられない…そんな時は、水分補給を最優先に考えてください。
脱水症状はとても危険です。
どうしても食欲がない時は、喉ごしのよいプリン、ゼリー、ヨーグルトなどがオススメです。
食事を摂れるようであれば、おかゆ、うどん、柔らかく煮た野菜など、喉への刺激が少ないものを与えましょう。
熱すぎるものや硬いもの、辛いもの、しょっぱいものは避けましょう。
まとめ
扁桃炎は予防できる病気です。
- 手洗い・うがいの徹底:ウイルスや細菌が体に入るのを防ぐ最も基本的な対策です。帰宅後、食事の前には必ず行う習慣をつけましょう。
- 免疫力を高める生活:バランスの取れた食事、質の良い睡眠、適度な運動を心がけましょう。
- 予防接種:肺炎球菌やヒブワクチンなど、特定の細菌感染を防ぐための予防接種もあります。かかりつけ医と相談して、適切な時期に接種を受けるようにしましょう。
子どもの健康を守るためにも、日頃から予防に努め、もし症状が出た場合は早めに医療機関を受診してくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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