命に危険が及ぶ可能性もある感染症の1つが、「日本脳炎」です。きちんと危険性を理解した上で、正しい予防をすることが大切です。
今回は、日本脳炎の原因や症状、予防法などについて紹介したいと思います。
日本脳炎とは?
日本脳炎は、フラビウイルス科に属する日本脳炎ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症です。日本だけではなくベトナムやインドネシアといった東南アジアの国々でも流行することがあり、毎年、3万5000~5万人の患者が発生しており、1万~1万5000人が死亡していると推定されています。
日本国内では、予防接種のおかげで患者数は減少しましたが、それでも毎年10名以下の患者が出ています。
日本脳炎の原因とは?感染経路は?
日本脳炎ウイルスはブタの体内で増殖し、蚊によってブタからブタにウイルスが伝播します。
一方ヒトは、ブタから感染した蚊に刺されて感染します(ブタ→蚊→ヒト)。ヒトからヒトへの直接感染はありません。
日本脳炎の症状とは?
ウイルスを保有する蚊に刺されても多くの人は症状が出ません。感染した人のうち、100人から1,000人に1人の割合で発病するといわれています。
日本脳炎を発症した場合、感染から6~16日間の潜伏期間を経て、38度以上の高熱や頭痛、めまい、吐き気、嘔吐といった症状が現れます。
子供が発症すると、腹痛や下痢を伴い、その後、意識障害や麻痺、痙攣といった症状が現れます。
日本脳炎の治療法は?
日本脳炎自体の決定的な治療法は現在見つかっていません。症状を抑える対症療法を行うのが基本で、特に高熱と痙攣への対処が大切です。
日本脳炎の症状が現れた時点で、脳細胞はウイルスによってすでに破壊されています。ウイルスに対する薬が開発されても、破壊された脳細胞の修復は依然として難しいため、日本脳炎はかかる前に予防することが肝心です。
日本脳炎の予防法とは?
日本脳炎を予防するには、まずはワクチン接種を受けることです。
ワクチン接種により、日本脳炎のリスクを75%~95%減らすことが出来るため、忘れずに予防接種を受けることで予防に繋がります。
予防接種は複数回受ける必要があり、生後6ヶ月以上90ヶ月(7歳半)未満の間に合計3回受ける第1期と、9歳以上13歳未満の間に1回受ける第2期で構成されています。
1期接種
初回接種については3歳~4歳の期間に6~28日までの間隔をおいて2回、追加接種については2回目の接種を行ってから概ね1年を経過した時期に1回の接種を行います。
2期接種
9歳~10歳までの期間に1回の接種を行います。
まとめ
前述したとおり、日本脳炎には治療薬というものがないため、予防接種で感染予防に努めることになります。
発症すると重篤な状態になり、命に危険が及ぶ可能性もあるため、予防接種は可能な限り実施するようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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