小児睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?原因・症状・治療法を徹底解説!

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「睡眠時無呼吸症候群」と聞くと、大人、特に働き盛りの男性の病気というイメージが強いかもしれません。でも実は、お子さんにも発症することがあるんです。

「まさか、うちの子が…?」そう思う前に、知っておいてほしいことがあります。

睡眠は、子供の心と体の成長にとって、とっても大切な時間です。もし、お子さんが寝ている間に呼吸が止まっているとしたら、日中の生活にも大きな影響を与えかねません。

今回は、お子さんの睡眠時無呼吸症候群について、その原因から見逃しがちな症状、そして気になる治療方法まで、詳しくご紹介していきます。

睡眠時無呼吸症候群って、どんな病気?子供でもなるの?

「睡眠時無呼吸症候群」は、その名の通り、寝ている間に一時的に呼吸が止まってしまう睡眠障害のことです。呼吸が止まることで、体や脳が休まらず、様々な不調につながってしまいます。

一般的には成人男性の約3~7%、女性の約2~5%に見られ、中年以降の肥満傾向の方に多いと言われています。ただ、前述しているとおり、子供でもなる可能性があります。

子供の睡眠時無呼吸症候群、その原因は?

お子さんの睡眠時無呼吸症候群は、大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれ、原因が異なるので見ていきましょう。

1. 中枢性睡眠時無呼吸症候群

これは、脳からの「呼吸しなさい!」という司令がうまく伝わらなくなることで起こるタイプです。

何らかの中枢神経系の病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。

2. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群

お子さんの睡眠時無呼吸症候群で圧倒的に多いのが、この「閉塞性」タイプ。空気の通り道である「上気道」や「喉」が、何らかの理由で狭くなったり、塞がったりすることで、呼吸がしにくくなります。

喉が塞がってしまう主な原因は、次のようなものが挙げられます。

  • 扁桃肥大:特に3歳以降のお子さんによく見られるのが、喉の奥にある「アデノイド(咽頭扁桃)」や「口蓋扁桃」が大きくなって、空気の通り道を塞いでしまうケースです。
  • 肥満:首回りや喉の内側に脂肪がついてしまうと、上気道が狭くなりやすくなります。健康的な体重をキープすることは、お子さんのためにも大切です。
  • 筋緊張の低: 慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、場合によっては薬の影響などで、筋肉の張りが弱まることも原因になります。他の病気が隠れていることもあるので、こちらも見過ごせません。
  • 下顎や舌の形:生まれつき下顎が小さかったり、舌が大きめだったりするお子さんの場合、舌が適切な位置に収まらず、上気道を塞いでしまうことがあります。

睡眠時無呼吸症候群、お子さんに見られる症状は?

お子さんの睡眠時無呼吸症候群は、寝ている時だけでなく、実は普段の生活の中にも「サイン」が隠されていることが多いんです。

睡眠時のサイン

  • いびきがひどい
  • 呼吸が数秒間止まる(親御さんが見ていてわかることも)
  • 寝苦しそうにしている、寝返りが増えるなど、眠りが浅い
  • 朝、なかなか起きられない、寝起きが悪い
  • 息を吸う時に、胸骨(胸の真ん中の骨)のあたりがペコッとへこむ

日常生活のサイン

  • 朝起きた時に、頭痛を訴える
  • 「アデノイド顔貌」と呼ばれる、顎が細く、出っ歯気味の顔つきになる
  • 落ち着きがなく、集中力が続かない
  • 日中の強い眠気(授業中や遊びの途中にうとうとするなど)
  • 学習面でのつまずきが見られる
  • 怒りっぽい、攻撃的になるなど、性格の変化が見られる

これらの症状がいくつか見られたら、「もしかして?」と疑ってみるサインかもしれません。

診断はどうするの?

大人の場合は、無呼吸の回数に明確な診断基準があるのですが、お子さんの場合は、まだ確立された指標がありません。お子さんは呼吸の回数自体が多いので、年齢や状況を総合的に判断して診断されます。

もし「うちの子、無呼吸かも…」と思ったら、まずは、寝ている時のお子さんの様子を音声付きビデオで撮影して、耳鼻咽喉科の先生に見てもらいましょう。映像から呼吸の状態を診てくれます。

睡眠時無呼吸症候群が疑われたら、さらに詳しい検査のために専門の医療機関を受診します。画像診断や、呼吸の流れを測るモニター検査などを行い、原因を特定していきます。

お子さんの鼻づまりや鼻水が止まらない時も、呼吸に影響を与えることがあります。

どうやって治すの?気になる治療方法は?

治療は、何よりもその原因を取り除くことが大切です。特に、中枢性睡眠時無呼吸症候群の場合は、その背後にある病気の治療が優先されます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群で症状が軽い場合は、寝る時の姿勢を変えるだけで改善することもあります。例えば、枕の高さを調整したり、横向きに寝るように工夫したりするだけで、気道が開きやすくなることも。

でも、それで改善しない場合や、症状が重い場合は、次のような治療が行われることもあります。

  • マウスピースの着用:軽度~中程度の睡眠時無呼吸症候群に有効な治療法です。下顎を少し前に出した状態で固定するマウスピースを使うと、呼吸の通り道が広がり、楽に呼吸できるようになります。特に、元々下顎が小さめのお子さんに効果が期待できます。
  • CPAP療法(シーパップ療法):「経鼻的持続的陽圧呼吸療法」の略称です。寝ている間に、鼻につけたマスクから空気を送り込み、睡眠中の呼吸をサポートします。欧米や日本でも広く普及しており、肥満が原因の睡眠時無呼吸症候群にもよく用いられます。
  • 外科手術:扁桃肥大が主な原因である場合、肥大した咽頭扁桃や口蓋扁桃を摘出する手術が行われることがあります。ただし、肥大がひどくなければ、お子さんの成長とともに自然に治るのを待つこともあります。
  • 減量:肥満が原因の場合には、減量も大切な治療の一つです。健康的な体重を目標に、無理なく取り組んでいくことが重要です。

まとめ

大人の睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気などで自分で気づくことができますが、お子さんの場合は、残念ながら自分で気づくことがほとんどありません。だからこそ、周りのパパやママ、そしてご家族の皆さんが、お子さんの異変にいち早く気づいてあげることが何よりも大切なんです。

寝ている間ずっとお子さんの様子を見るのは大変なことですが、もし「呼吸が止まっているように見える」「いつもと違ういびきをかいている」「日中の様子がおかしい」など、気になる症状がいくつか見られたら、迷わず病院を受診してください。早期発見・早期治療が、お子さんの健やかな成長につながります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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