夜中に突然…子供の異変はもしかして「睡眠てんかん」?原因・症状・治療法について

パパ育児

夜中にふと起きたときに、子供が体を硬直させて、ガクガクと震えている光景に遭遇したら、どんなパパやママも、心臓が止まるくらい驚いてしまいますよね。「一体何が起こったの?!」と、不安で押しつぶされそうになるかもしれません。

もし、このような症状が一度だけでなく、繰り返し起こるようなら、「てんかん」という病気が隠れている可能性があります。もちろん、自己判断は禁物。まずは、お医者さんに相談することが大切です。

今回は、夜間の睡眠中に起こる「睡眠てんかん」について、その原因や症状、そして治療法などを紹介したいと思います。

「睡眠てんかん」とは?

私たちの脳の中には、たくさんの神経細胞(ニューロン)がいて、お互いに電気信号をやり取りすることで、様々な活動をしています。ところが、この神経細胞が過剰に興奮してしまうと、意識がなくなったり、体がけいれんしたりする「てんかん発作」が起こります。

てんかん発作には、手足を突っ張らせてガクガクと痙攣するタイプや、急に力が抜けて倒れてしまうタイプなど、様々な種類があります。

そして、「睡眠障害国際分類(第2版)」によると、これらのてんかん発作が、寝ている間だけに起こるか、あるいは発作の70%以上が睡眠中に起こる場合を「睡眠てんかん」または「睡眠関連てんかん」と呼びます。

「てんかん」と聞くと、子どもの病気というイメージがあるかもしれませんが、睡眠てんかんは、特定の年齢に多いというわけではありません。ただ、眠りにつく直前や、朝目が覚める頃など、睡眠の前後で起こりやすく、発作の時間も1~2分と比較的短いことが多いとされています。

発作の症状として一番多いのは、やはり「けいれん発作」です。これは、見ていても分かりやすいのですが、中には、無意識に複雑な動き(自動症)をしたり、発作が長く続いたりする場合もあります。このようなケースでは、「夢遊病(むゆうびょう)」などの他の睡眠障害と区別するために、しっかりとした検査が必要になります。

睡眠てんかんの原因って何?

てんかんが起こる原因は、本当に人それぞれです。

例えば、

  • 脳出血や脳外傷の後遺症
  • 脳炎や髄膜炎などの病気の後遺症
  • 生まれたときの低酸素状態(新生児仮死)の後遺症

などが原因となることもあります。

しかし、実は、色々な検査をしても、はっきりとした原因が見つからない睡眠てんかんも少なくありません。

どんな症状に気をつければいいの?

睡眠てんかんの症状は、全身のけいれん以外にも、以下のようなものがあります。

  • 舌をペロペロなめるような動作
  • 顔がピクピク動く
  • 周りのものを手でまさぐるような動作

また、驚くかもしれませんが、

  • 突然、夜中に歩き回る
  • 大声で叫ぶ
  • おねしょをする

といった症状が現れることもあり、これらは「夢遊病」や「夜驚症(やきょうしょう)」、「夜尿症(やにょうしょう)」といった他の睡眠障害と見分けがつきにくいことがあります。

もし、「夜中に突然大声を出したり、走り回ったりする」といった様子が見られたら、「ただの夜驚症かな?」と安易に考えずに、一度お医者さんに相談してみることをおすすめします。

どうやって診断するの?

睡眠てんかんの診断は、まずお医者さんによる丁寧な問診から始まります。どんな時に、どんな症状が出るのかを詳しく伝えることが大切です。

問診の結果、睡眠てんかんの可能性が高いと判断された場合は、さらに詳しい検査を行います。

  • 脳波検査: 頭に小さな電極を貼り付け、脳の電気的な活動を記録します。てんかん特有の異常な波形が見られるかどうかを調べます。
  • 睡眠時動画記録: 寝ている間の様子をビデオで記録します。発作の時の動きや様子を詳しく観察するために行われます。

さらに、てんかんの原因を探るために、

  • 頭部のCT検査やMRI検査: 脳の形や状態を詳しく調べます。
  • 血液検査や尿検査: 全身の状態や、他の病気の可能性を調べます。

もし、お子さんの発作の様子をスマートフォンなどで撮影できていたら、診断の手助けになることがあります。病院に行く際に、ぜひ持参してください。

どんな治療をするの?

睡眠てんかんの治療の中心となるのは、脳の神経細胞の興奮を抑える「抗てんかん薬」を使うことです。このお薬は、医師の指示通りにきちんと飲み続けることがとても大切です。飲み忘れてしまうと、薬の効果が十分に得られない可能性があります。

治療期間は、一般的に2~5年と長くかかることが多いですが、適切な治療を行えば、70~80%の人は発作をコントロールできるようになると言われています。

もし、薬を飲んでも発作がなかなか止まらない場合は、外科的な治療が検討されることもあります。

まとめ

日本小児神経学会によると、睡眠不足や疲労、そして心理的なストレスは、てんかんの発作を引き起こす要因になることがあります。そのため、睡眠てんかんの治療と並行して、規則正しい生活を送ること、そしてしっかりと睡眠時間を確保することも非常に重要です。

健康的な生活習慣は、免疫力を高め、他の病気の予防にも繋がります。病院での治療をしっかりと受けながら、ご家庭でもできることに取り組み、根気強く睡眠てんかんと向き合っていきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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