先日もインフルエンザに関する投稿をしましたが、合併症のなかで「インフルエンザ脳症」というものがあり、命に危険が及んだり後遺症が残ったりする恐れがあります。特に小さな子供の場合は特に注意が必要です。今年の冬は大流行しているインフルエンザなので特に心配になりますよね。
今回はインフルエンザ脳症の症状や予防法などをご紹介します。
インフルエンザ脳症とは
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザウイルスに感染することで起こる免疫異常により、脳の働きに異常がみられる状態のことです。
インフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症のひとつで、5歳以下の乳幼児がかかることが多いものです。30%が死亡、25%が後遺症を残すとされ、後遺症なく回復するのは4割程度という非常に恐いものです。
そのため、インフルエンザが重症化してしまわないように予防接種を受けておくことが大切です。
インフルエンザ脳症の症状
インフルエンザ脳症の症状には、高熱や咳、関節痛、倦怠感といった一般的なインフルエンザの症状に加えて、意識障害、けいれん、異常行動などがあります。
これらの神経症状は、熱が出た後、数時間から1日で現れることが多いです。
意識障害
呼びかけや、頬をつねるといった刺激に対して反応がないなど、明らかな意識障害がみられる場合は要注意です。なお、軽度の意識障害であれば気付かないこともありますが、少しでも「意識がはっきりしていない」と思う節があれば、すぐに病院にかかりましょう。
けいれん
6カ月~5歳までの子どもが高い熱を出した際に、けいれんを引き起こすことがよくありますが、インフルエンザ脳症の初発症状として起こるけいれんには次のような特徴があります。
・15分以上続く
・繰り返し起こる
・体の左右非対称に起こる
15~分以上けいれんが続く場合や、体の左右でバラバラにけいれんが起こった場合などは、インフルエンザ脳症の症状を疑い、病院を受診しましょう。
異常行動
発熱により異常行動を起こしているケースもありますが、連続してあるいは断続的に、1時間以上にわたって異常行動をとっている場合は、脳症の初期症状を疑いましょう。
具体的な行動としては、以下のようなものがあります。
・人の認識ができない(両親がわからない)
・ものの区別がつかない(自分の手を食べ物と勘違いして食べようとする)
・幻視や幻覚を訴える
・意味不明な発言をする、ろれつが上手くまわっていない
・突然おびえる、こわがる、怒り出す、歌い出す
・壁に向かって走り出すなど
このような症状が出ているようであれば、病院を受診しましょう。
インフルエンザ脳症になると後遺症は残る?
厚生労働省によると、インフルエンザ脳症を発症した場合、約25%の確率で後遺症が現れるとされています。
後遺症としては身体障害や精神障害が残る可能性があります。身体障害が残ることは少ないですが、四肢麻痺が残る場合もあるといわれており、精神障害が残る場合は知的障害、てんかん、高次脳機能障害が多いです。
インフルエンザ脳症の予防法とは
インフルエンザ脳症を予防するうえで大切なことは、インフルエンザにかからないことです。日頃から手洗いとうがいを徹底し、インフルエンザが流行している時期には人混みを避け、外出時はマスクを着用するようにしましょう。
インフルエンザワクチンの予防接種を受けておくことが、重症なインフルエンザ脳症の予防につながります。5歳になるまではインフルエンザ脳症の発症率が高いので、インフルエンザワクチンの予防接種ができる生後6ヶ月以降は、できるだけ早めにワクチンを打ってもらうようにしましょう。
まとめ
発症してしまうと重症化してしまうリスクがあるインフルエンザ脳症。しかし、インフルエンザにかからないように予防することで、重症化するリスクを軽減できるため、流行する前に早めの予防を心がけましょう。
万が一インフルエンザ脳症が疑われる場合は、すぐに病院にいき診てもらうようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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