赤ちゃんや小さなお子さんが、ママがちょっと離れるだけで大泣きしたり、後を追ってきたりすることってよくありますよね。「また泣いちゃった…」と困ってしまうママも多いのではないでしょうか。
これは多くの子供に見られる成長の証で、一般的に「母子分離不安」と呼ばれています。自分が離れるとあまりにも泣かれてしまうと、「どう対応してあげたらいいの?」と悩んでしまいますよね。
今回は、そんなママたちの悩みを解消するために、母子分離不安の原因から、具体的な対応方法、そして「幼稚園や保育園にちゃんと通えるようになるの?」といった疑問までご紹介したいと思います。
母子分離不安とは?
母子分離不安とは、ママがそばから離れると、お子さんが動揺して不安を感じ、泣いたり後追いをしたりしてしまう状態のことです。「ママが離れると泣く」という経験は、ほとんどのお子さんが通る道なんです。
この不安は、お子さんの認識能力が高まってくる生後8ヶ月頃から現れ始め、生後10〜18ヶ月頃にピークを迎える傾向があります。そして、2歳になるまでには自然と落ち着いていくことがほとんどです。
「ちょっと離れるだけで大泣きされて困る…」と感じるかもしれませんが、母子分離不安が見られるのは、お子さんがママを「大好きな人」と認識できている心の成長の証でもあるんです。だから、過度に心配する必要はありません。
母子分離不安の原因
赤ちゃんは、ママの姿が見えなくなると、「今はいないけど、またすぐに戻って来る」という先の見通しを立てることがまだできません。だから、ママの姿が見えなくなると、「どこかに行ってしまったのではないか」「もう自分を守ってくれないのではないか」と不安になってしまうことがあるんです。
ただ、大きくなるにつれて記憶能力が発達し、「いなくなっても、しばらくしたら戻ってきた」ということを思い出せるようになれば、母子分離不安は自然と治まっていきます。
「泣く子」を笑顔に変える!母子分離不安への具体的な対応方法
母子分離不安は、ママがいなくなることに不安を感じている状態です。だからこそ、お子さんに安心感を与えてあげることが何よりも大切です。
でも、「じゃあ、四六時中離れずにいればいいの?」と思うかもしれませんが、それは逆効果になることも。お子さんの発達を妨げてしまう可能性もあるので、ポイントを押さえた対応が重要です。
お子さんにできるだけ不安を感じさせないようにするための具体的なポイントをご紹介します。
1. 離れるときは必ず「声掛け」
たとえお子さんがまだ言葉を理解していないと思っても、離れるときは必ず声をかけましょう。「隣の部屋にいるからね」「すぐに戻って来るからね」など、一声かけてから離れるようにしましょう。
ママが安心させる言葉をかけ続けていれば、お子さんも「ママはちょっといなくなるけど、すぐに戻って来るんだ」と次第に理解できるようになっていきます。
また、ママが別の部屋に行ってお子さんが泣き出したとき、すぐに駆け寄るのではなく、その場から声をかけて「ママの姿が見えなくても、すぐそこにいる」と教えてあげるのも効果的です。
2. 慣れない場所では「一緒に遊ぶ」
初めての場所や、人がたくさんいる場所だと、お子さんはいつもと違う雰囲気に不安を感じやすくなります。そんな時は、ママが離れることに大きな恐怖を感じてしまうこともあります。
この場合は、ママも一緒になってその場所で遊んで安心感を与えてあげましょう。ママが楽しそうに遊んでいる姿を見ることで、「ここは安全な場所なんだ」とお子さんも理解できるようになり、不安も徐々にやわらいでいきます。
3. 泣いても「きつく叱らない」で抱きしめる
母子分離不安が激しいと、毎日泣いてばかりいるような状態になることもありますよね。あまりに泣かれると、ついイライラして「もう泣き止んで!」と突き放してしまいそうになるかもしれません。
でも、泣いているのは不安を感じているから。きつく叱らず、「ママはここにいるよ!」と優しく声をかけ、抱きしめて安心感を与えてあげてください。お子さんの気持ちに寄り添うことが何よりも大切です。
登園への不安を解消
「こんなにベッタリだと、幼稚園や保育園に通えるのかな…」と心配になるママもいるかもしれません。でも、心配いりません。個人差はありますが、どの赤ちゃんにも母子分離不安は見られるものです。
そして、「ママがいなくなっても、戻ってくるから大丈夫だ」と理解できるようになる2歳頃までに母子分離不安は徐々に解消され、幼稚園や保育園にもきちんと通えるようになるお子さんがほとんどです。
「分離不安症」かも?
しかし、もし2歳を過ぎても母子分離不安が非常に強く、幼稚園や保育園に行くのを極端に拒否したり、ママなしで友達と遊ぶことが全くできなかったりする場合は、「分離不安症」の可能性も考えられます。
これは、兄弟姉妹ができた、保育園・幼稚園に通い始めたなどの環境の変化がきっかけで起こることがあると言われています。しばらく甘えさせる時期を作ってみて、それでも改善が見られない場合は、小児科医や児童心理の専門家に相談してみると良いでしょう。
分離不安症は小学生でもなることがあり、学校に行けなかったり、友達の家に1人で遊びに行けなかったりするなどの症状が現れることもあります。
分離不安症と診断された場合には、ママと別れる場面をできるだけ短時間で済ませたり、お子さんの訴えに感情を交えずに対処したりする行動療法を行うのが一般的です。
まとめ
赤ちゃんを泣かせてしまうのがつらくて、ずっと一緒にいてあげたくなるのは当然の親心ですよね。また、離れるたびに泣かれてイライラしてしまうこともあるでしょう。
母子分離不安が長く続くと大変だと感じるかもしれませんが、「ママが見えないところに行っても、あとで帰ってくるんだ」と理解してもらえるように、日々落ち着いて対応していきましょう。お子さんの不安を取り除いてあげることで、きっと笑顔で「いってらっしゃい!」と言える日が来ます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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