小さなお子さんがいるご家庭では、一度は経験する、急な下痢と発熱。夜中に症状が出て、どうしたらいいか分からず、不安になった経験、ありませんか?
ただの風邪ならまだしも、もし、もっと重大な病気だったら?そんな心配を抱えるパパやママのために、今回はお子さんの発熱を伴う下痢の原因と、自宅でできる正しい対処法、そして病院に行くべきタイミングまで、解説します!
なぜ?子供の体が下痢と発熱を起こすメカニズム
まずは、お子さんの体に何が起こっているのか、そのメカニズムを簡単に理解しておきましょう。
下痢は腸からのSOSサイン!
普段、私たちが食べたものは、腸で水分がしっかり吸収されて、ちょうど良い固さの便として排出されます。でも、何らかの原因で腸の水分調整機能がうまく働かなくなると、水分をたっぷり含んだ状態で便が排出されてしまいます。これが「下痢」です。
腸が異変を感じて、体の中から早く悪いものを追い出そうとしているサインなんです。
発熱は体を守る「防御反応」!
一方、発熱は、体の「司令塔」である視床下部が、「ウイルスや細菌をやっつけろ!」と指令を出すことで起こります。体が熱くなることで、白血球の働きが活発になったり、病原菌の増殖が抑えられたりするんです。
発熱は、お子さんの体が一生懸命病気と闘っている証拠。決して悪いことだけではありません。
下痢と発熱、一緒に来たら疑うべき「感染症」
お子さんが発熱を伴う下痢を起こした場合、真っ先に考えられるのはウイルスや細菌による感染症です。特に乳幼児期は、免疫力がまだ未熟なため、さまざまな感染症にかかりやすい時期。落ち着いて状況を把握し、必要であればお医者さんに診てもらいましょう。
1. ウイルス性胃腸炎
最も多い原因の一つが、ウイルス感染によって胃や腸に炎症が起こる「ウイルス性胃腸炎」です。特に秋冬に流行するノロウイルスやロタウイルスが有名ですね。ロタウイルスは乳幼児に多く、感染力が非常に強いのが特徴です。
<症状の特徴>
- 白っぽい便や黄色っぽい便
- 嘔吐
- 1~2日の発熱
残念ながら、ウイルス性胃腸炎に効く特効薬はありません。症状を和らげる対症療法が中心になります。一番気をつけたいのが、下痢と嘔吐による脱水症状!
【最重要ポイント】脱水だけは防いで!
「食べられないし飲めない…」と焦る気持ち、よく分かります。でも、少量ずつでもこまめに、水分と塩分を補給することが何よりも大切です。
【オススメの飲み物】
- OS-1(オーエスワン): 経口補水液の定番。薬局や楽天、AmazonなどのECサイトで購入できるため、緊急時に備えて常備しておくと安心です。
- アクアライト、ポカリスエット(イオン飲料): 乳幼児向けの優しい味のイオン飲料。こちらも脱水対策に有効です。
【知っておきたい主なウイルス性胃腸炎】
- ノロウイルス感染症
- 汚染された食べ物や、感染者の飛沫から感染します。下痢、嘔吐、腹痛の他、微熱が出ることも。通常2~3日で解熱することが多いですが、脱水に注意が必要です。
- ロタウイルス感染症
- 乳幼児の重症下痢の原因の多くを占めます。白い下痢便と発熱、嘔吐が特徴で、脱水になりやすいので注意が必要です。予防接種もあります。
- アデノウイルス感染症
- 型が多いため、何度も感染する可能性があります。発熱、下痢の他に、咳、鼻水、結膜炎(目やに)、嘔吐、腹痛など、様々な症状が現れます。
- インフルエンザ
- 38度以上の高熱が特徴ですが、嘔吐や下痢を伴うこともあります。頭痛、咳、喉の痛み、鼻水、筋肉痛、関節痛なども。
2. 細菌性胃腸炎
細菌感染によって胃や腸に炎症が起こる「細菌性胃腸炎」も、下痢と発熱の原因になります。カンピロバクター菌やサルモネラ菌、ブドウ球菌などが原因菌として挙げられます。
<症状の特徴>
- 下痢、発熱、頭痛、嘔吐
- 血便が出ることも
ウイルス性胃腸炎と異なり、抗生物質と整腸剤の内服で治療することが一般的です。症状がひどい場合は入院が必要になることもあります。
【便の色や様子を記録しよう】
細菌性胃腸炎の症状は、腸の一部が腸の中に潜り込んでしまう「腸重積」という病気の症状と似ていることがあります。病院に行く際は、下痢便がついたおむつを持参したり、写真を撮っておいたりすると、原因特定に役立ちます。
「これって病院行くべき?」判断の目安と受診のタイミング
お子さんの急な体調不良は、本当に焦りますよね。特に発熱を伴う下痢の場合、「病院に行くべきか」「もう少し様子を見るか」悩むことも多いでしょう。
【すぐに病院へ!】こんな症状が出たら迷わず受診を
お子さんの状態をよく観察し、以下のような症状が見られる場合は、迷わずすぐに病院を受診しましょう。夜間や休日でも、小児救急に相談してください。
- ぐったりして元気がない、顔色が悪い
- 呼吸が速い、苦しそうにしている
- 呼びかけに反応しない、意識が朦朧としている
- 何度も吐いて水分が全く摂れない
- おしっこが半日以上出ていない
- 下痢に血が混じっている(真っ赤な便、黒いタール便など)
- 激しい腹痛で、お腹を抱えて泣いている
- 高熱が続き、解熱剤を使っても下がらない
- 生後3ヶ月未満で発熱がある
【まずは自宅で様子見】こんな場合は落ち着いて対処
上記の緊急性の高い症状が見られない場合は、まずは自宅で落ち着いて対処しましょう。
- 水分補給を最優先!
- 少量ずつ、こまめに経口補水液やイオン飲料を与えます。嫌がっても、スプーン1杯からでも大丈夫です。
- ジュースや牛乳は下痢を悪化させる可能性があるので避けましょう。
- 食事は消化の良いものを少量ずつ
- 無理に食べさせる必要はありません。食べたがるなら、お粥、うどん、すりおろしたリンゴなど、消化の良いものを少量ずつ与えてみましょう。
- 油っぽいもの、繊維質の多いもの、冷たいものは避けます。
- 安静にして体を休ませる
- 十分な睡眠をとらせ、体力の回復を促します。
- おむつ交換はこまめに、お尻周りを清潔に
- 下痢が続くとお尻がかぶれやすくなります。ぬるま湯で優しく洗い流し、清潔にしてあげましょう。
【予防が一番!】感染症から子供を守るために
「できれば、うちの子にはかかってほしくない!」そう願うのが親心ですよね。日頃からできる予防策をしっかり行いましょう。
- 手洗い・うがいを徹底する
- 食事の前、トイレの後、外出から帰ったら、石鹸で丁寧に手洗い・うがいを習慣にしましょう。
- 調理や食事の衛生管理
- 特に生肉や魚を扱った後は、包丁やまな板をしっかり洗浄・消毒しましょう。
- 汚物の処理は慎重に!
- 下痢便や嘔吐物を処理する際は、使い捨ての手袋やマスクを着用し、ビニール袋に密閉して捨てましょう。処理後は、石鹸でしっかり手を洗ってください。
- 予防接種の検討
- ロタウイルス感染症のように、予防接種がある病気もあります。かかりつけの小児科医と相談してみましょう。
まとめ
お子さんが下痢と発熱を同時に起こすと、パパやママは本当に心配になりますよね。でも、大切なのは、慌てずに冷静に状況を判断し、適切な対処をしてあげることです。
- 脱水症状の予防が最優先!
- 症状をよく観察し、受診の目安を把握する。
- 日頃から手洗いなどの衛生習慣を徹底する。
この記事が、お子さんの急な体調不良に直面した際の、少しでもお役に立てれば嬉しいです。不安な時は、一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域の相談窓口を利用してくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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